屏風になって愛されたい

 最近、人外になりたいと思う。

人外と言っても綺麗なやつだ。醜く生まれてきたから常に願望は「綺麗になりたい」に帰結する。私は人体という枠を飛び越えてメチャクチャ美しいものになりたい。

  まずは大きさが必要だと思う。大は小を兼ねるというし、巨大なエネルギーは美しいから(でかい火とか)、もうヤバイくらい大きくなりたい。

  あとは金ピカになりたい。私は金(きん)も金色も大好きだ。「ゴールド」という英語の読みも好きだ。だって「ゴールド」ってすごくゴールドな感じがするし…。銀ではダメだ。銀は綺麗だけど、線が細くて華奢だから、せっかく大きくても何となく迫力不足だ。オリンピックでたまに銀メダルを取った選手が金が良かったと悔しがり泣く場面があるけど、よくわかる。金がいいよねーやっぱり。金は特別な色だ。王様の冠は金ピカでないと。

 この二つの条件を加味した上で深く考えた結果、屏風になりたいと思うようになった。金箔が貼られた屏風だ。そして屏風愛好家(いるのか?)に愛されたい。手袋をつけた真面目そうなおじさんやお姉さんにボデーを綺麗にしてもらう。式典で一生懸命原稿を読む人の背景になる。そしてその人より目立っちゃったりする。もしくはそんな簡単な屏風じゃなくて、文化財とかの偉い屏風になるのもいい。いい感じの照明に照らされて、100年前の絵師が描いた絵のキャンバスになる。ポスターの写真より実物の方が綺麗だからみんな見に来てほしいな。